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①水草水槽セッティングに際してのお勧め機材

水草に興味を持った一番の理由は、綺麗なレイアウトに魅せられたからです。初めて見た、気泡の付いたリシアのレイアウトはとてつもなく衝撃的でした。一度器具を揃えてしまえばその後はあまりお金がかからないなあ、というのも始めた理由の一つです(実際のところ、本格的になっていくにつれてそうでもなくなってくるのですが……)。

始めた頃はまだ底床が大磯砂中心で、水草の育成、特に難易度の高いものには今より苦労しました。それから少しして、水草育成を前提に作られたソイル系底床が登場したことで、今までの底床の概念が変わり、劇的に育成難易度を下げてくれたと思います。当時はかなり育成難の種だったトニナやスターレンジ、オランダプラントが、だれでも簡単に育てられるようになってしまいました。技術の進歩に感謝です。育成そのものに注いでいた力が少なくて済むようになった分、余った力がレイアウトそのものに流れていき、コンテストの出品作品を見ていると毎年驚かされました。

前置きが長くなりましたが、水草水槽を始めるに当たって最低限必要な機材を羅列してみますと、①水槽 ②二酸化炭素(CO2)強制添加器 ③外部式フィルター ④底床 ⑤照明機器 ⑥保温器具 ⑦水草。どれか一つ欠けても育成はままなりません。逆に言えば、育成容易種といわれる水草でしたら、これだけで長期間の育成は十分可能です。

外部式フィルターやCO2添加器などの水草水槽用機材
外部式フィルターやCO2添加器などの水草水槽用機材

①水槽

最近の水槽の流れはフレームレスのガラス水槽が中心です。安価なものには水槽上部に黒いフレームがありますが、それがないのがフレームレス水槽です。単にフレームがないだけとはいえ、あるのとないのとでは、前者の方がまさしく水槽本来の存在意義といえます「水を切り取った情景」が味わえます。水槽はインテリアですから、少し高くてもフレームレスを買っておけば、中身以前に水槽だけで見た目の綺麗さを稼げます。縁が曲げガラスのものとシリコンつなぎ目のあるものがありますが、角のある水槽も最近のものは接合部分に透明なシリコンが使用されており、こればかりは実物を見て好み次第で選んで下さい。

水槽の大きさに関しましては、特にこれといったお勧めはありません。30cm角のものから、最も多く使用されている60×30×36cmのレギュラー水槽、90×45×45cm、120×45×45cm、180×60×60cmといった大型水槽まで様々です。ただ、こと水草の育成に重きを置く場合、なるべく大きな水槽の方が、長期に綺麗な水系を維持するという意味では管理は楽です。大型水槽は小型に較べて夏の気温など外的要因に左右されづらく、急激な水質の変化にさらされることが少ないためです。一度安定期に入ってしまえば水換え以外には特に手が掛からない、というのは大きいです。小型水槽ですと急激な水質の変化にさらされることで、水草の状態云々だけでなくコケを発生させてしまう要因にもなります。といっても小型を否定しているわけではなく、水換えの量は少なくて済みますし、機材のコスト面では大きなアドバンテージがあるのは確かです。

②二酸化炭素(CO2)強制添加器

二酸化炭素強制添加器ならば、迷わず業務用の炭酸ガスボンベ、いわゆる通称「ミドボン」をお勧めします。要は業務用の緑色をした大型のボンベのことで、容量が5kgぐらいのものが大きさ、価格的にもちょうど良いでしょう。ショップに売っている小型の使い捨てCO2ボンベで約10日保ったとすると、5kgのものなら単純計算で数百日分に相当します。コスト的にものすごく大きなメリットがありますし、使い切ってしまっても再充填が可能です。拡散器の方は、CO2ストーンが最もリーズナブルです。

③外部式フィルター

特にこれだというものはなく、二酸化炭素を逃がさない外部式フィルターなら何でも良いでしょう。個人的には、信頼性で定評のある海外メーカーのものを数台長年使用していましたが、何年使っても故障など不具合は1度たりとも起こったことはないです。容量については、水草メインの水槽であればメーカー指定より1ランク下でも良いと良く言われますが、ろ過は水景維持の要ですから、少なくともメーカー指定容量の機種の導入が最善であると考えます。ろ過については作成スタイルのトップから「ろ過編」も合わせて読んでいただくと分かりやすいかと思います。

④底床

底床もソイル系の他には大磯砂、天然砂、各社の砂利や焼成セラミック系の底床、化粧砂として使う明るめの砂など色々あります。水草の育成に関しては、始めから水草を第一に考えて作られたソイル系の底床が一番適しています。使ってきた中では水草そのものの立ち上がりも水槽全体の立ち上がりもソイル系が一番良く、最終的にはほとんどソイル系を中心に使用していました。もしこれがなかったら水草レイアウトはしていなかったかもしれない、というくらい影響の大きかったものです。※本サイトでは基本的に底床はソイル系にした場合で話を進めています。

⑤照明機器

インテリア性、性能の面ではメタルハライドランプが理想と言われますが、初期コストが掛かってしまいますし、こと水草レイアウトに関しては素直に薦められない事情もあります。価格、光量、見た目の面で一番両立されているのはインバーター式蛍光灯(各社から製品が出ています)で、3灯まで搭載可能なタイプが手頃です。蛍光管自体は、コスト面重視であればホームセンターで買える一般用のクール色でも育成は出来ます。ただし好みの問題でもありますが、一般用の管だと水草がやや黄色く見えてしまうので、水草の緑が映える色を持つアクアリウム用の蛍光管を使用していました。

蛍光灯を選ぶ際にケルビン数というものが出てきます。これは光量(ルーメン、単位:lm)とは関係なく、色温度とも言って見た目の色合いを数値で表したものです。太陽光の色合いで6000K、それ以上になるに従って青色っぽくなっていきます。一見ケルビンが高いと光量も高くなるような気がしますが、あくまで光の色を表したものですので、騙されないようにして下さい。この照明まわりの話は長くなるので照明機器の項に別立てでまとめてあります。

⑥保温器具

これは初めてであれば、ヒーターと温度調整が可能なサーモが一体化したものを使うのが無難でしょう(操作が簡単です)。最近はそれに加えて空焚き防止機能付きのものがあります。水槽内の水が何らかの理由で空になってしまった時、従来のヒーターだとそのまま作動して火事の原因となってしまったのですが、空焚き防止機能は異常高温を温度センサーで感知して自動的に電源をOFFにし、火事を未然に防いでくれます。過去の大きな震災ではこういった原因での火事も多かったと聞きます。日本は地震大国ですので、自分の家が火事の原因になって他人に迷惑をかけないよう、未然に配慮していく必要があるでしょう。

……と簡単にはこんなところでしょうか。まずこれらの機材を整えないことには始められませんが、選ぶに際しても色々な本などで調べたり、実物を見るなりして、後で後悔のない買い物をして下さい。水そのものの性質についても、pHと水についての基礎解説あたりに一度目を通しておくと、機材選びの理屈が繋がって見えてきます。実際の管理の話はトリミング編コケデータへ、育てる水草そのものについては水草データへ、細かい小ネタは技術集へどうぞ。