油膜
コケではありませんが、美観を損ねるという意味で載せています。水面に水草が綺麗に反射した姿も水草水槽の魅力の一つですので、なるべくなくしたいものです。油膜が張ってしまうと、その反射が濁ったり虹色に割れたりして、正面から見た印象がかなり変わってしまいます。
この項目はもともと見出しだけ作って中身を書けないままになっていた場所です。ここでは、これまでの水槽で油膜が出たときにどう考えて手を入れていたかを、記録として整理し直しています。数字を並べて検証したような話ではありませんので、その前提で読んでもらえればと思います。
油膜の正体
油と名前は付いていますが、油が浮いているわけではありません。水中に溶け出したタンパク質などの有機物と、それを分解する過程のバクテリアが水面に集まって膜状になったもの、という理解でおおむね間違いないと思います。ですので「油膜が出た」というのは、水の中に処理しきれていない有機物が溜まっている、あるいは水面に流れがなくてそれが一箇所に留まっている、という状態を指しています。
コケの多くと同じで、根っこにあるのは富栄養化と水の汚れです。その点は石やガラス面に付く深緑色のコケやグリーンウォーター(アオコ)と地続きの話で、水槽の外の世界での扱いは環境省の水・土壌環境の情報あたりが参考になります。
発生要因
- 餌の与えすぎ、生体の入れすぎ。溶け出す有機物がそのまま増えます。
- 枯れ葉や崩れた水草をそのままにしている。トリミング後の切りくずを取り切れていないときも同じです。
- フィルターの汚れやホースの詰まりによるろ過能力の低下。処理が追い付かなくなります。
- 逆に、フィルターを洗いすぎた直後。ろ過が一時的に弱った時期にも出ます。
- 水面がほとんど動いていないセッティング。排水をガラス面に沿わせて静かに回していると、膜が留まりやすくなります。
- 大量トリミングの直後。切り口から出るものと環境の急変が重なるタイミングです。
- 肥料の入れすぎ。堅く長い糸状タイプのアオミドロが出たときは底床肥料を規定量の3倍以上入れていた時期でしたが、そのときは油膜もすごい状態でした。
要因が一つに絞れることは少なく、たいていはこのうちのいくつかが重なっています。特に「餌が多い」と「水面が動いていない」の組み合わせは、出やすい上に見た目にはっきり出ます。
駆除方法
- 水面に流れを作る。 一番効くのはこれだと思っています。外部フィルターの排水の向きを少し上げる、パイプの高さを変えるなどして、水面が緩く動く状態にします。水面が動いていれば膜はそもそも留まれません。
- サーフェススキマーを使う。 水面の表層を吸わせるタイプの吸水パイプを使うと、膜そのものを機械的に持って行ってくれます。
- 有機物の入力を減らす。 餌の量を減らす、枯れ葉やトリミングの切りくずを残さない、生体が多いようなら減らす。原因の側を止めなければ、取っても戻ってきます。
- フィルターを開けて清掃する。 ホース内やインペラー周りの汚れで排水量が落ちていることがあります。ろ過材を全部替えるような荒療治は逆効果になりやすいので、まず通り道の掃除からです。
- 換水を行う。 溜まった有機物そのものを薄めます。
- キッチンペーパーや新聞紙で持ち上げる。 水面にそっと乗せてすぐ持ち上げると膜が付いて取れます。あくまで見た目の応急処置で、原因が残っていれば翌日にはまた張っています。
放っておくと困ること
油膜は見た目の問題として語られがちですが、水面を膜が覆っているということは、水面での空気とのやり取りが妨げられているということでもあります。厚く張ったときに酸素の面で不利になるのは想像が付きますし、上から入る光も多少なりとも遮られます。美観の話だけで済ませずに、水面が動いていない環境そのものを直しておいた方が良い、というのがこの項の結論です。
トリミング直後に出やすいという点ではトリミング編の話とつながりますし、コケ全般の一覧はコケデータトップにまとめてあります。管理側の組み立て方は作成スタイルのセクションをどうぞ。
※ここに書いてあることも、わたしの水槽環境下での話です。全ての環境で同じ結果が得られるとは断言出来ませんのでご了解下さい。